人材不足が続いている介護業界では、IoT機器を活用する現場が増えてきています。ロボットやセンサーなどのIoT機器を導入することにより、介護職に携わる方の業務負荷が大きく軽減されるからです。介護事業者がIoT化を進める際には、日々の業務の見直しから進めることが大切です。身体介護や生活援助の領域のなかで、IoT機器で代替できる部分を見極めることが重要といえます。
ロボットを導入したり、OA機器での事務作業の負荷軽減を考案したりしても、IoT化に掛けられる予算には限りがあるのが通常でしょう。自分たちが抱えている課題を明確にすれば、IoT化を進めるべき領域が自然と見えて来ます。慢性的な人手不足が叫ばれている介護業界で、人員が足りなくなる理由には業務負荷の高さに起因する、スタッフの離職率の高さが挙げられます。事業所のIoT化ができれば、スタッフの日々の作業負担も少なくなり、離職する介護職が減っていくでしょう。
ロボットなどのIoT機器を導入するにあたっては、政府の助成金を活用することが可能となっています。予算が乏しい事業所であっても、ポイントを絞った導入プランが構築できれば、IoT化の実現は可能なのです。予算への不安からIoT機器導入に踏み出せなかった事業所は、助成金の活用をおすすめします。
利用者を抱え上げる機会が少なくなるだけでも、介護職の腰痛などの不調は抑えられます。センサーを見守り機能として活用すれば、夜勤の必要性も薄れていきます。IoT化を促進することにより、日々の業務に対する余裕が介護職の間に生じ、定着率の向上と安定経営が実現するのです。