介護の現場にIoTを導入する目的

IoTとはInternet of Thingsの略で、日本語ではモノのインターネットと訳されるIT用語です。パソコンやスマートフォン以外のものをインターネットに接続し、そこから得た情報を分析し、活用する技術のことを言います。IoTはさまざまな業界での活躍が期待されており、介護の現場も例外ではありません。介護の現場にIoTを導入する目的は、何と言っても労働環境の改善です。

高齢化が問題視される日本は、将来3人に1人が65歳以上の高齢者となる超高齢化社会に突入すると言われています。そうした日本では、介護職に従事する人材の確保が不可欠です。しかし、介護職に対するイメージは決して良いとは言えず、体力面や精神面で負担が大きい仕事というイメージがつきまとっています。そのため、介護業界では慢性的な人材不足が続いているのです。

このような状況では、超高齢化社会を支えるのに十分な介護職を集めるのは難しくなります。この状況を打開できる可能性を持っているのがIoT機器の導入です。例えば、排泄支援機能を持つIoT機器を活用すれば、利用者が排泄するタイミングを察知し、適切なタイミングでトイレに誘導できるようになります。排泄の失敗が少なくなり、介護職の負担が軽くなるでしょう。

また、IoTを活用すれば、カルテの記録や介護プランの作成などの事務作業による負担も軽減できます。このように、IoTで介護業務や事務作業の負担を軽減することで、介護現場の労働環境は大きく改善すると思われます。これにより、介護職のイメージが払拭できれば介護職員を志す人が増え、人材不足の解消につながるのです。